源寄添経営事務所

ものづくり補助金5次公募で新特別枠の公募開始
旧コロナ特別枠との違いを公募要領から読み解く

5次公募(2月19日締切)のものづくり補助金で、新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)の公募が始まりました。2月9日に更新された公募要領にて明らかになったので、締切(2/19(金))の10日前というギリギリでの公募です。

「新特別枠」のポイントを、「旧コロナ特別枠」と比較しながら説明していきたいと思います。

補助率の最大は「3分の2」まで
旧特別枠のB・C類型の補助率「4分の3」より小さい


ものづくり補助金の補助率は2分の1(小規模事業者の場合は3分の2)ですが、新特別枠で採択されれば補助率が3分の2まで上がります。

旧特別枠の「B類型(非対面型ビジネスモデルへの転換)」と「C類型(テレワーク環境の整備)」の補助率が4分の3であったのに比べると、補助率が低いなという印象はございますが、「2分の1」が「3分の2」になるだけでも非常に大きいです。

補助対象経費の「全額」が感染防止対策の投資である必要がある
旧特別枠の「6分の1」よりも厳しい

低感染リスク型ビジネス枠の補助対象要件
新特別枠で設備などを買う場合、すべての経費が感染防止対策につながるものである必要があるようです。

公募要領を見る限りですと、旧コロナ特別枠の「非対面型ビジネスモデルへの転換」に似ている印象があります。

物理的な対人接触を減じる」というのがどこまでの範囲を指すのが判断しかねますが、公募要領に記載の通り、単に自動精算機や空調設備を入れ替えるだけの投資では補助対象にならないことは間違いありません。

新特別枠で不採択の場合に通常枠での再審査はあり
ただし通常枠で加点になるかどうかは不明

新特別枠で申請し不採択となった場合には、自動的に通常枠での再審査が入ります。この制度自体は旧コロナ特別枠と変わりはありません。

ただし、旧コロナ特別枠では通常枠で再審査される場合の「加点」がありましたが、今回の公募要領には加点の要素が入っていませんでした。

上記が旧コロナ特別枠の公募要領からの抜粋。「加点されます」という旨が明記されています。

こちらが新しい公募要領の加点項目。これを素直に読み解くと、「通常枠で再審査が入ったとしても、新特別枠に申請したこと自体が加点要素にはなりません」という解釈になります。

「では、今回は新特別枠で出しても意味がないのか?」

という意見もあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

同じ申請書類で二回チャンスをもらえる(新特別枠で1回・通常枠で1回)と単純に考えれば、新特別枠で申請をしておいて損はないのではないかと個人的には思います。

新特別枠(5次申請)の採択率は高いか低いか?

採択率については正直な話、高いのか低いのか現時点では判断がつけがたいところです。

下の表を見ていただければわかる通り、1次(62.5%)、2次(57.1%)、3次(38.1%)と公募を重ねるにつれて採択率は下がっているのが通常です。

ものづくり補助金採択結果の集計(R1・R2)

ものづくり補助金は、経済産業省の「中小企業生産性革命推進事業」という予算から捻出されるお金であり、後の公募になるほど予算枠は段々と削られていきます。

R1・R2経済産業省予算の概要

これまでは計3,650億円の予算枠の中から、ものづくり補助金が交付されていました。
(※3,650億円が丸々ものづくり補助金に当てられるわけではないので誤解のないように)

普通に考えれば、4次・5次公募では採択率がさらに下がるだろうとなります。

ただし、今回の新特別枠に関しては、令和2年度の3次補正予算の中の2,300億円(下の画像にある「中小企業生産性革命推進事業の特別枠の改編」)から交付されることになります。

令和2年度3次補正-中小企業生産性革命推進事業

まだ手付かずのピカピカの2,300億円です。そう考えると、「新特別枠の採択率はそこまで悪くはならないのではないか?」というのが、あくまで私の推測です。

その他5次申請からの変更点:「小規模事業者」による加点がなくなった

ものづくり補助金での採択を目指すにあたり、「加点項目」をいかに取りに行くかがキーの一つとなります。

残念なのが、4次公募まで「小規模事業者(従業員数が5人以下の会社(製造業等の場合は20人以下))」は加点の対象となっていたのですが、5次公募の公募要領を見てみると、その記載がなくなっているのです。

ものづくり補助金の加点項目(4次公募の公募要領から抜粋)

こちらが4次公募の公募要領に記載されている加点項目。

ものづくり補助金の加点項目(5次公募の公募要領から抜粋)

こちらが今回の5次公募の公募要領に記載された加点項目。「政策加点」の項目から「小規模事業者」の記載が丸々と抜け落ちていました。

ものづくり補助金総合サイトデータポータルというページを覗いてみてください。過去のものづくり補助金の申請状況をまとめたデータを見ることができます。

加点項目と採択率の関係性-ものづくり補助金総合サイトより